抗RNP抗体
抗RNP抗体

抗RNP抗体の概要

この項目は、血液中に抗RNP抗体(抗U1-RNP抗体)が存在するかどうかを調べる検査です。

少し難しい話になりますが、細胞の核内には、snRNPと呼ばれる細胞の核内に存在するRNAと蛋白質の複合体が存在しています。
このsnRNPにはいくつか種類が存在し、このうちU1、U2、U4、U5、U6に共通して存在する蛋白に対する抗体が抗Sm抗体となり、U1に存在する蛋白に対する抗体がU1-RNP抗体(RNP抗体)となります。
そのため、通常抗Sm抗体が陽性の場合は、抗U1-RNP抗体(RNP抗体)も陽性となります。

一般的に抗RNP抗体といった場合、抗U1-RNP抗体を指す場合が多いです。

抗RNP抗体の陽性率は、混合性結合組織病で100%、全身性エリテマトーデスで30〜40%、全身性硬化症で10〜20%、シェーグレン症候群、多発性筋炎・皮膚筋炎で10%程度となっています。
このように、混合性結合組織病で抗RNP抗体が100%検出されることから、混合性結合組織病の診断基準の1つとして用いられています。

混合性結合組織病ってどんな病気?

混合性結合組織病は、全身性エリテマトーデス様・全身性硬化症(強皮症)様・多発性筋炎/皮膚筋炎様の症状が混在し、さらに血液検査で抗RNP抗体(抗U1-RNP抗体)が検出される病気です。

30〜40歳の女性に好発し、症状としてレイノー現象や手の腫れ、全身性エリテマトーデス様症状(顔面紅斑・胸膜炎・腹膜炎・リンパ節の腫れ・関節炎など)、強皮症様症状(皮膚の硬化・肺線維症など)、多発性筋炎様症状(筋力の低下・筋肉痛など)などの症状が出現します。

混合性結合組織病の診断基準

1. 概念
全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎などに見られる症状や所見が混在し、血清中に抗U1RNP抗体が見られる疾患である

2. 共通所見
 @ レイノー現象
 A 指ないし手背の腫脹

3. 免疫学的所見
抗U1RNP抗体陽性

4. 混合所見
(1) 全身性エリテマトーデス様所見
 @ 多発性関節炎
 A リンパ節腫脹
 B 顔面紅斑
 C 心膜炎または胸膜炎
 D 白血球減少(4000/μl)以下または血小板減少(10 万/μl 以下)

(2) 強皮症様所見
 @ 手指に限局した皮膚硬化
 A 肺線維症、拘束性換気障害(%VC=80%以下)
    又は肺拡散能低下(%DLCO=70%以下)
 B 食道蠕動低下又は拡張

(3) 多発性筋炎様所見
 @ 筋力低下
 A 筋原性酵素(CK 等)上昇
 B 筋電図における筋原性異常所見

診断基準
1) 2 の 1 所見以上が陽性
2) 3 の所見が陽性
3) 4の(1)〜(3)項のうち 2 項目以上につきそれぞれ 1 所見以上が陽性
以上の 3 項を満たす場合、混合性結合織病と診断する

抗体と自己抗体
抗体とは、自分のカラダ以外のもの(細菌・ウイルスなどの異物、がん細胞など)を異物とみなしてこれを排除しようとする蛋白で、生体防御に重要な役割を果たしています。
自己抗体とは、免疫機能の異常により、本来異物ではない自分の成分を異物と認識して抗体がつくられ、自分自身の細胞を攻撃してしまうものです。

検査の目的

混合性結合組織病を疑う時

参考基準値 (単位:倍)

・ 免疫拡散法 (単位:倍)
  検出せず (1倍未満)
・ EIA法
  15.0未満       : 陰性(―)
  15.0以上22.0未満 : 判定保留(±)
  22.0以上       : 陽性(+) 

※基準値は施設ごとで異なる場合があります。

抗RNP抗体が高値を示す病態

膠原病
混合性結合組織病、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、多発性筋炎・皮膚筋炎、全身性硬化症など