網赤血球数(RET)
網赤血球数(RET)

網赤血球数(RET)の概要

この項目は、赤血球1000個中に網赤血球がいくつあるかを調べる検査です。

網赤血球は、赤血球になりたての幼若な赤血球で、赤血球中にRNAが含まれており、これが検査で染色されると網状に見えることから網赤血球といいます。

網赤血球は、約1〜2日で、脾臓でRNAが取り除かれて、成熟した赤血球となります。
上記のように、網赤血球は短期間で成熟赤血球となるため、網赤血球数の増加・減少は、骨髄における赤血球の産生能力を反映します。

すなわち、網赤血球増加は骨髄での赤血球産生の亢進あるいは網赤血球の寿命延長を表し、減少は赤血球産生低下を表します。

赤血球の分化過程
多能性幹細胞 → 骨髄系幹細胞 → BFU-E → CFU-E → 前赤芽球 → 好塩基性赤芽球 → 多染性赤芽球 → 正染性赤芽球 → 網赤血球 → 赤血球

※網赤血球より前までが骨髄で行なわれ、正染性赤芽球から核が取り除かれて(脱核)網赤血球となり、血液中に流出します。

各疾患と網赤血球

溶血性貧血
溶血性貧血とは、何らかの原因で通常120日ある赤血球の寿命が短縮してしまうことにより起こる貧血です。

この溶血性貧血の場合、骨髄における赤血球の産生には異常はないため、カラダの貧血を察知してより赤血球を作り出そうとします。

そのため、作りたての幼若な赤血球である網赤血球の数が増えること、また、赤血球の寿命短縮による成熟赤血球の減少により、総合的に網赤血球が増加します。

再生不良性貧血
再生不良性貧血とは、骨髄にある白血球や赤血球などの血液のもとになる細胞が何らかの原因によって減少するためにおこる貧血です。

そのため、赤血球のもとの細胞も減少するため、赤血球が作れない状態なので、網赤血球も減少します。

甲状腺機能低下症、慢性腎不全
赤血球の産生を促す物質にエリスロポエチンと呼ばれるものがあります。
この物質は、腎臓で作られています。

そのため、腎不全になるとこのエリスロポエチンの産生量が減少するために、赤血球の産生も減少します。

また、甲状腺機能低下症においても、エリスロポエチンの産生が低下します。
そのため、慢性腎不全、甲状腺機能低下症の場合は、赤血球の産生が低下するために、網赤血球も減少します。

巨赤芽球性貧血
巨赤芽球性貧血とは、体内のビタミンB12又は葉酸が不足することで起こる貧血です。

この貧血の場合、骨髄での造血は亢進しますが、赤血球になる前に壊れてしまうため(無効造血)、網赤血球も減少します。

検査の目的

貧血の鑑別目的として

参考基準値  (基準値 : ‰)

2 〜 27

※基準値は施設ごとで異なる場合があります。

網赤血球数(RET)が異常を示す病態

増加
溶血性貧血 (発作性夜間ヘモグロビン尿症など) ・ 出血 ・ 治療などにおける貧血の回復期 など

減少
再生不良性貧血 ・ 巨赤芽球性貧血 ・ 甲状腺機能低下症 ・ 慢性腎不全 など