CK(CPK)の概要
この項目は、血液中のCK(CPK)の量を調べる検査です。
CK(クレアチンキナーゼ)は、CPK(クレアチンホスホキナーゼ)と呼ばれることがあります。
CK(CPK)は、体内でのエネルギー代謝に関わっている酵素です。
主に骨格筋・心筋・平滑筋・脳などに多く存在し、これらの組織が障害をうけると、細胞からCK(CPK)が血液中に流れ出し、血液検査で高値を示すようになります。
CK(CPK)とアイソザイム
CK(CPK)には、アイソザイムと呼ばれるCK-MM・CK-MB・CK-BB の3 種類が存在し、通常の血液中には、CK-MMが大半を占め、CK-BBはほとんど存在せず、CK-MBがわずかに存在しています。
通常の血液検査で行なわれているのは、総CK(CPK)活性値となります。
3種類のアイソザイムは組織によって分布する割合が異なるため、CK(CPK)が高い場合、このアイソザイムを調べて、どの組織が障害を受けているかを推測し、病気の診断に用いることがあります。
CK-MM
骨格筋に多く含まれ、筋性疾患(筋ジストロフィー・多発性筋炎・皮膚筋炎 など)や甲状腺機能低下症などで高値を示します。
CK-MB
心筋に多く含まれ、心疾患(心筋梗塞・心筋炎 など)で高値を示します。
CK-BB
脳、子宮、腸管に多く含まれ、脳疾患(脳血管障害・脳外傷 など)や悪性腫瘍 などで高値を示します。
CK-MBと心筋梗塞
CK-MBは心筋に多く含まれることから、心筋梗塞の診断や病態の把握のためにCK-MBを直接検査することがあります。
通常、心筋梗塞発症後、約4~8時間で上昇しはじめ、18~24時間で値はピークに達し、72~96時間後には基準値レベルとなります。
CK(CPK)の生理的変動
性別による変動
男性の方が、女性よりも高値を示します。
これは男性の方が、女性よりも筋肉量が多いためです。
その他の影響による変動
激しい運動後や肉体労働、筋肉注射後は筋肉が損傷を受けることがあるため、高値を示す場合があります。
また子どもの場合、採血前に大泣きすることによって高値を示すことがあります。
検査の目的
1)神経や筋疾患、心疾患を疑うときや、その経過観察として
2)脳の損傷が疑われるときや、その経過観察として
参考基準値(単位:IU/l)
男性 : 50 ~ 250
女性 : 45 ~ 210
※基準値は施設ごとで異なる場合があります。
CK(CPK)が異常値を示す病態
高い値を示す場合
骨格筋疾患
外傷、筋ジストロフィー、多発性筋炎、皮膚筋炎 など
心疾患
心筋梗塞、心筋炎、心膜炎 など
神経筋疾患
てんかん など
その他
甲状腺機能低下症、頭部外傷、脳梗塞、悪性腫瘍(胃がん、大腸がん、肺がん、前立腺がんなど) など
低い値を示す場合
甲状腺機能亢進症、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ、シェーグレン症候群、長期臥床、妊娠 など
検査時の注意事項
激しい運動によりCK(CPK)は高い値を示すことがあるので、採血前は運動は控えるようにしましょう。