生化学検査における酵素検査(ASTやALT、アミラーゼ、リパーゼ、CKなど)は酵素自体の量を測定しているのではなく、酵素活性を測定しています。
ただし、特別な例を除いては酵素量と酵素活性は相関関係にあります。
酵素の場合、活性値を測定しているため、基準値はμgやmgではなくU(ユニット)となります。
酵素とは?
酵素とは、Aという物質をBに変化させる働きのある蛋白質で、体内には大きく分けて消化酵素と代謝酵素の2種類が存在しています。
例えば、脂質を分解する消化酵素にリパーゼと呼ばれる酵素があります。
この酵素は、体内に入ってきた脂質を脂肪酸とグリセロールに分解する働きがあります。
酵素活性とは?
酵素として働く能力のことです。
分かりやすく例えると・・・・・
ここに外で働く10人の作業員がいます。
今は5月。丁度外で働いても暑くも寒くもなく働きやすい環境です。
作業員の作業も順調で、予定通り1日に10コの作業を終えました。
時は過ぎて8月。
外で働くにはきつい季節となり、働きやすい環境とはいえない状況です。
作業員の作業もあまり順調とはいえず、1日に5コの作業を終えました。
酵素も同じです。
同じ人(酵素)が同じ人数(量)であっても、環境などの変化(温度などの環境変化など)があれば作業量(活性)は変化します。
血液で測る酵素は、このように10人の作業員(酵素の量)を計測しているのではなく、作業量(活性)である10や5を計測しているのです。
上記でも記したように、酵素測定は、酵素自体の量ではなく、酵素のはたらく能力を表しています。
ただし、通常特殊な例を除いては酵素量と酵素活性は相関関係にあります。
そのため、分かりやすく説明するために、量として説明している場合があります。
半減期とは?
酵素活性における半減期とは、例えば10のはたらきが5になる、すなわち、はたらく力が半分になる期間を指します。(検査値が10の場合、半分の5に減少するまでの期間)