血清アルブミンの概要
この項目は、血液中のアルブミンの量を調べる検査です。
アルブミンは、総蛋白の50~70%を占めており、膠質浸透圧の維持や血液中の様々な物質の運搬をする働きがあります。
アルブミンは、食事から摂取した蛋白質などを材料として肝臓で作られるため、食事の摂取不足や吸収不良があるとアルブミンの材料である蛋白質が不足するため低値となります。
そのため、身体の栄養状態の指標として用いられます。
各病態と血清アルブミン
脱水症
脱水症の場合、血液が濃縮されるためにアルブミンがみかけ上高値となります。
肝疾患
アルブミンは肝臓で合成されることから、肝障害(特に重症肝障害)があると、アルブミンの合成能力が低下するために低値となります。
ネフローゼ症候群、蛋白漏出性胃腸症
ネフローゼ症候群、蛋白漏出性胃腸症のように、アルブミンが体外に喪失してしまうような病態があるとアルブミンが低値を示します。
甲状腺機能亢進症
甲状腺機能亢進症の場合、体内の代謝の亢進が起こり、蛋白の異化が亢進(蛋白の分解が亢進した状態)するために低値となります。
過度のダイエット、低栄養状態
ダイエットや低栄養状態のように、食事制限や食事の摂取量の不足によってアルブミンの材料となる蛋白質が不足すると、アルブミンが作られなくなるために低値となります。
検査の目的
1)低蛋白血症や高蛋白血症を疑う場合やその経過観察として
2)栄養状態の指標として
参考基準値 (単位:g/dl)
3.8 ~ 5.3
※基準値は施設ごとで異なる場合があります。
アルブミンが異常値を示す病態
高値
脱水症
低値
ネフローゼ症候群、蛋白漏出性胃腸症、重症肝障害、栄養不良、感染症、甲状腺機能亢進症 など