尿pHの概要
この項目は、尿pH(尿が酸性かアルカリ性であるか)を調べる検査です。
通常、尿pHは試験紙法と呼ばれる、専用の試験紙を尿に浸して、酸性かアルカリ性かを色の変化から判定します。
健常者の尿のpHは通常、弱酸性(6.0前後)です。
しかし、尿のpHは食べ物や運動などの生活習慣によって大きく変動しますので、健常者でもpH4.5~8.0の間で変動します。
通常、動物性食品を摂取した場合は、尿は酸性に傾き、逆に植物性食品を摂取した場合は、尿はアルカリ性に傾きます。
また、睡眠中は肺での換気が低下して、二酸化炭素が体内に蓄積されるため、尿は酸性に傾きます。
激しい運動後は、体内で発生した乳酸の影響で尿は酸性に傾きます。
検査の目的
1)尿のスクリーニング検査として
2)酸塩基平衡異常(アシドーシスやアルカローシス)を疑うとき
3)各種疾患の治療のためのpHコントロールのため
参考基準値
5.0 ~ 8.0
※基準値は施設ごとで異なる場合があります。
尿pHが異常を示す病態
酸性尿
糖尿病、痛風、腎炎、発熱、脱水、下痢 など
アルカリ性尿
嘔吐、尿路感染症、過呼吸 など
検査時の注意事項
検査の際は、新鮮尿で実施しましょう。
長時間放置しておくと、尿に細菌が繁殖して尿中の尿素を分解し、その結果アンモニアが発生します。
このアンモニアの影響で尿はアルカリ性に傾き正確な測定ができなくなります。