CEA(癌胎児性抗原)

CEAの概要

この項目は、腫瘍マーカーであるCEA(癌胎児性抗原)の血液中の量を調べる検査です。

CEA(癌胎児性抗原)は、ヒトの大腸がん組織と胎児の腸管から発見された蛋白ということからこのような名前が付けられました。

CEA は、大腸がんなどの消化器系のがんで高値を示す場合が多いですが、その他のがんでも高値を示すため臓器特異性は低いです。

このように、CEAは多くのがんで高値を示し、腫瘍の消長が血液中のCEA値の変動に反映されることなどから、がんの補助診断や治療のモニターとして幅広く利用されます。

ちなみに、もっともCEAの陽性率が高いものは大腸がんで、50~70%程度陽性(進行度が上がるにつれて陽性率があがります)を示し、肝臓に転移がある場合は高値となる場合が多いです。

CEAにおける生理的変動

年齢による変動

高齢者では高値を示す傾向があります。

その他の影響による変動

喫煙者、妊婦では高値を示す傾向があります。

腫瘍マーカーについて

腫瘍マーカーは、基本的に早期のがんでは値の上昇する確率が低いため、一般的にがんの早期発見目的としては用いられません。

また、腫瘍マーカーは良性疾患で高値となったり、対象のがんすべてで高値を示すわけではないため、他の検査と併せて検査を実施する場合が多く、がんの診療の補助的検査としてもちいられます。

検査の目的

大腸がんなどの悪性腫瘍を疑う時や、それらの治療の効果判定や経過観察のため

参考基準値(単位:ng/ml)

5.0 以下

※基準値は施設ごとで異なる場合があります。

CEAが高値を示す病態

悪性疾患
消化器がん(大腸がん、胃がん、胆道がん、膵臓がん、肝臓がん など)
その他のがん(肺がん、乳がん、子宮がん、尿路系がん、甲状腺髄様がん など)

良性疾患
肝炎(急性・慢性)、肝硬変、潰瘍性大腸炎、糖尿病、腎不全、甲状腺機能低下症、気管支炎 など