妊娠とC型肝炎検査
妊婦検診の項目の中にC型肝炎検査があります。
これは、血液を採取してC型肝炎の抗体があるかどうかを調べ、現在C型肝炎ウイルスに感染していないかを調べる目的があります。
C型肝炎は、血液を介して感染する感染症です。
成人が感染した場合、7割程度の方が、そのままウイルスを体内に保有する持続感染(キャリア)となり、長い年月をかけて肝硬変や肝臓がんへと移行します。
残りの3割程度は、一過性の感染で治癒します。
お母さんが、C型肝炎ウイルスを保有しているキャリアの場合、赤ちゃんに感染してしまう母子感染の恐れがあります。
C型肝炎の母子感染の確率はそれ程高くありませんが(10%程度)、持続感染といって赤ちゃんの体内で抗体が作られず、C型肝炎ウイルスが体内に住み着き、慢性肝炎などを引き起こす可能性があります。
そのため、赤ちゃんがC型肝炎ウイルスへ感染するのを防ぐためにも妊婦検診でHCV検査を調べる必要があります。
検査時期と検査方法
検査時期
妊娠初期
検査方法
HCV抗体 : 血液検査
参考基準値
(―)
※基準値は施設ごとで異なる場合があります。
検査結果のみかた
ステップ①
HCV抗体 (スクリーニング検査)
陰性
C型肝炎ウイルスに感染していない
陽性
C型肝炎ウイルスに現在感染している、または過去に感染したことがある → ステップ②へ
ステップ②
HCV RNA定量検査 (精密検査)
検出せず
現在C型肝炎ウイルスに感染していない
検出
現在C型肝炎ウイルスに感染している(母子感染に注意)
検査時期や基準値・検査方法などは医療機関により異なる場合があります。