定期健康診断・雇入れ時健康診断は、労働安全衛生法によって検査する項目が定まっています。
事業者は、労働安全衛生法第66条に基づき、労働者に対して医師による健康診断を実施しなければならないとなっています。
このページでは、定期健康診断・雇入れ時健康診断で行なわれる労働安全衛生法で定められた尿検査および血液検査について掲載しております。
健康診断結果を見る際に、参考にして頂ければと思います。
定期健康診断・雇い入れ時健康診断項目一覧 (結果の見方)
貧血検査項目
健康診断における貧血検査項目は、赤血球数とヘモグロビン濃度(血色素量)の2項目が最低限必要な項目となります。
下記の各項目をチェックして頂き、気になる検査結果の内容をチェックしましょう。
- 赤血球数
- 赤血球は、カラダの細胞に酸素を運ぶ働きがあり、赤血球が少なくなると細胞が酸欠状態となってしまいます。この状態が貧血です。
またこの逆で、赤血球が多くなる状態を多血症といいます。
- ヘモグロビン濃度(血色素量)
- ヘモグロビン(血色素)は、赤血球中に存在し酸素と結びついて、カラダの細胞に酸素を渡す働きがあり、ヘモグロビンが少なくなると細胞が酸欠状態となってしまいます。
この状態が貧血です。
肝機能検査項目
健康診断における肝機能検査項目はASTとALT、γ-GTP)の3項目が最低限必要な項目となります。
下記の各項目をチェックして頂き、気になる検査結果の内容をチェックしましょう。
- AST(GOT)
- AST(GOT)はよく肝機能検査の1つとして検査され、肝臓が障害を受けると値が上昇します。
但し、AST(GOT)は心臓や赤血球などの他の組織にも多く含まれているため、肝機能を評価する場合はALT(GPT)など他の検査と総合して判断されます。
- ALT(GPT)
- ALT(GPT)はよく肝機能検査の1つとして検査され、肝臓が障害を受けると値が上昇します。
ALT(GPT)は、肝臓に対する臓器特異性が高く、肝障害の指標に用いられています。
- γ-GTP
- γ-GTPは、肝機能検査の1つとして用いられ、肝・胆道系疾患で高値を示します。
また、飲酒によっても高値を示しますので、注意が必要です。
血中脂質検査項目
健康診断における血中脂質検査項目は、LDLコレステロールとHDLコレステロール、中性脂肪の3項目が最低限必要な項目となります。
下記の各項目をチェックして頂き、気になる検査結果の内容をチェックしましょう。
- LDLコレステロール
- LDLコレステロールは、細胞膜やホルモンの材料となる必要不可欠なものですが、あまりに高い状態になると動脈硬化の原因となるため、別名:悪玉コレステロールと呼ばれています。
- HDLコレステロール
- HDLコレステロールは、末梢組織から肝臓へ運ばれるコレステロールで、抗動脈硬化作用があることから別名:善玉コレステロールと呼ばれています。
そのため、HDLコレステロールが低い場合は、動脈硬化の危険因子となるため注意が必要です。
- 中性脂肪
- 中性脂肪が高値の場合、動脈硬化の原因となり、また、1000mg/dlを超えるような高値の場合は、急性膵炎を引き起こす可能性がありますので注意が必要です。
血糖検査項目
健康診断における血糖検査項目は、血糖が最低限必要な項目となります。
下記の各項目をチェックして頂き、気になる検査結果の内容をチェックしましょう。
- 血糖
- 血糖値とは、血液中の糖(グルコース)の濃度です。健康なヒトの場合、60~160mg/dlの間で変動しています。
グルコースは、体内でエネルギーとして使われており、値が高いあるいは低い場合はカラダに異常を来たすことがあり注意が必要です。
尿検査項目
健康診断における尿検査項目は、尿蛋白と尿糖の2項目が最低限必要な項目となります。
下記の各項目をチェックして頂き、気になる検査結果の内容をチェックしましょう。
- 尿蛋白
- 尿蛋白は、様々な原因で陽性となります。
腎臓病などの病気によって陽性を示すことがありますが、健常者や妊婦の方でも一過性に陽性を示すことがあります。
- 尿糖
- 尿糖が陽性の場合、第一に考えられるのが糖尿病です。しかし、腎性糖尿など糖尿病以外の原因でも陽性となることがあります。